2020年1月6日月曜日

写真集 「大原の里」



以前にブログでご紹介した、大原の写真集をつくるお話


大原の150年を写真で見ることのできる貴重な資料集が、昨年10月にとうとう発行されました。




明治39年の写真。 
着物に袴姿で、みんなカメラを見つめています。(わざと視線を外している大人も数名いますね。)

写真にうつる子どもたちの表情はガチガチに緊張しているけれど、シャッターが下りたあとは照れ笑いしながら顔を見合わせていたのでしょうか。 


学校の集合写真のほかにも、無言の帰宅をした兵隊さんを弔う場面や、大原女として薪を売りにあるいた女性たちの姿、大原に初めて市バスが開通した記念写真など、それぞれが歴史を物語ってくれます。

また、最近の大原を丹念に撮り続けてらっしゃる方の作品や、山歩きの案内文も入っています。


今住んでいるこの場所で、どんな人々が暮らしていたのか。
写真で垣間見せてもらうと、より身近に感じられます。 
この地で連綿と命をつないできた人々の顔、ひとりひとりに歴史が詰まっているんだなあ、と。  



貴重な写真を掬い上げ、写真集にまとめてくださった西田さん、本当にありがとうございます。

西田さんのことを「大原の名物おじいちゃん」と言ったら
「おじいちゃん ちがうで」と返されそうですけれど、とても素敵な敬愛するおじいちゃん、御歳78才。

大原の昔話をすれば、あるわあるわの面白エピソードが満載。
畑で野菜を育てては、それを漬物にして差し入れてくださったり。
そのほか、佃煮も、干し柿も、ちまき団子も、なんでもご自身で手作りです。
子どもたちのことも暖かく見守ってくださって、季節ごとに集団登校の子どもたちの記念写真を撮りつづけてらっしゃいます。 
「大原草紙」という地域の情報誌の発行もされていますが、その話はまた今度・・・。 

冗談好きで、大原をこよなく愛する西田さんの熱い想いのこめられたこの写真集。
販売期間は終了して、今は少々の在庫を希望者に配布しています。
ツキヒホシにも少し置かせていただいておりますので、大原にご縁のある方々、大原が好きで観光や散策にいらっしゃる方々にも是非ご覧いただきたいです。





最後に、今回の写真集に残念ながら収録されなかったけれど、ぜひ紹介したい写真がありましたので、ご許可をいただいて掲載させていただきます。 



時はおそらく1975年。
大原校(現在の京都大原学院)創立100周年記念の区民運動会にて、
時代別の「仮装行列」をしたときに、「戦時中」を担当したグループの仮装です。

赤紙を持つ人、出征する人、遺骨を抱える人、負傷兵、防空頭巾をかぶった人、そして「再び戦争をくりかえすな」のメッセージ。

今から44年前も、こうして声をあげていた人たちがいらっしゃったんだなあ、と嬉しく思いました。




折しも、アメリカとイランの関係が危うくて新たな戦争がはじまるのか、という緊張感が走る令和2年の幕開け。 

「再び戦争をくりかえすな」

私たちはもっともっと大きな声で叫び続けないといけないようです。