2015年7月4日土曜日

木製の盆



近ごろすっかりガラス物ばかりのご紹介になってしまっておりましたが、
木製品も色々と取り揃えています。 

木製品の代表格はやっぱり、お盆。



ちょっと地味な存在だけれど、無くてはならない暮らしの道具。

丸型、楕円形、長方形、正方形、一文字・・・ 

用途にあわせて色んな形や大きさがあり、
使われる木の種類によって表情は多様ですね。




こちらは、松を刳り貫いてつくられる讃岐彫りのお盆。
ご飯・汁物・主菜・副菜を並べるのにちょうどいい大きさです。 
鑿跡が引き立つよう、漆が薄く塗られています。





これは煎茶を運ぶときに使われる一文字盆。
欅の材だと思われますが、ほとんど使われていない状態のため、まだ淡い色合いです。

裏側のこの削り跡は、手が滑らないように工夫されたものでしょうか。
丁寧な手仕事が感じられます。





こちらは、使い込まれた風合いが素敵な、拭き漆仕上げの欅のお盆。

きっと数十年の間、大切に使われてきたのでしょう。
それに加えて、この木が育った時間の長さを想うと、、、
人間の時間軸はわずかなものだなぁと感じられます。 




大切に使えば、数十年どころか百年を越えて受け継ぐこともできる木製品。


良い材料が以前より入手しにくくなった今の時代だからこそ、
ひとむかし前に作られた立派な木製品を大切に使わせていただき、
次の世代に手渡していきたいなあと思います。