2015年1月28日水曜日

古い丸椅子




すりきれた座面の哀愁ただよう古椅子を見ると、ついつい連れて帰ってしまいます。

家族が集う場で、店先で、あるいは仕事場で、長いこと誰かを支えてきた椅子。

座面はボロボロでも、しっかり組まれた脚は健在なことが多く、
張り替えると見違えるような表情になるのです。





座面の下に詰められているのは、藁のような乾いた草。
身の回りにあるものだけで、家を建て、日用品を作っていた時代が偲ばれます。


再び藁を入れることはしませんが、
代わりに弾力のある椅子用スポンジを入れて、生地を張り、リボンと鋲で仕上げていきます。


この組み合わせを考えるのが、もっとも楽しい時間。
今日の椅子は、上質なツイード生地を使い、同色の編みリボン、ブロンズの椅子鋲を組み合わせました。(SOLD OUT)


さあ、あとは脚を蜜蝋ワックスで磨けば出来上がり。


新しい場所で、ふたたび誰かを支える存在になりますように。