2015年9月10日木曜日

新入荷のご紹介と、99年前の宿題、そして熊



ちょっと久しぶりに仕入れに出かけてきました。

古物との出会いは一期一会ゆえに、感覚を研ぎすませていなければ見落としたり、ほんの一瞬の差で手をすり抜けていってしまいます。
アンテナを張り巡らせて、胸に響くものを探す楽しみ。
毎回のように経験不足・勉強不足を身に沁みて感じつつも、いつも新たな出会いにワクワクします。

今回は、細々としたものを多く仕入れました。




おちょこ色々。

店舗ではお盆の上に並べて、3客1000円のサービス価格で販売しています。
宝探しのように、お客様が好みのものを見つけてくださると私も嬉しいです。

可愛らしい馬上杯、麦わら手、九谷、織部、ちょっととぼけた二羽の千鳥もいますよ。
在銘のものが多くあります。 





手前は「灰皿」です。SOLD OUT
梅の刳り貫き蓋で、南部鉄器のずっしりした重み。
渋さと可愛さのバランスが絶妙です。 

奥にあるのは「タバコ箱」。SOLD OUT
こちらもおそらく鉄製で、飛沫をあげる荒波と鳥の文様が良いなあと思っています。 




こちらは、「ビンドウ」という川魚を獲るトラップの道具。
変わった形状を活かして、草花との相性を推し量るのが面白いです。
軽やかなコバンソウを生けてみました。





おまけでいただいてきた宿題の冊子。
大正5年(1916年)、大阪の高等科2年生だった人が書いたものです。
当時の高等科2年というのは今の13歳。

「13歳で、こんなにきれいな字を書いた女の子がいたんですね」と言うと、
これを下さった方から意外な一言。

「これ書いたん、男の子やで」と。

裏面を見ると、名前は「義久」とありました。。。 
可愛らしい菊の絵から、すっかり女の子だと思い込んでしまいました。 


99年前の夏、13歳の男の子がこれを書いたのかと思うと、背筋が伸びるような気がします。

その少年は、後にやってくる激動の時代を生きたのでしょう。









*お知らせ*
ツキヒホシの裏手にある山「翠黛山(すいたいさん)」で親子熊3頭の目撃情報がありました。
山登りされる方は、どうぞご注意ください。