2015年1月30日金曜日

白磁の陽刻隅切り豆皿




白磁の陽刻モノが好きです。

型押しで模様を浮かび上がらせる陽刻。
ごくごくシンプルな技法なのですが、
その繊細なラインで表現される世界の広がりに心奪われます。


梅・桜・菊などの花々、唐草文様、波しぶき。
自然を愛でる感性がそのまま器に現れているようです。


このような隅切角皿は、幕末〜明治にかけて有田や瀬戸などで量産されました。
探せば探すほど、新たなデザインに出会えるのではないかとワクワクします。





ツキヒホシでは、器はなるべく現代の食卓にも溶け込みやすいシンプルなものをそろえていきたいと思っています。
普段使いしていただきたいので、価格は300円〜3000円程度をメインに。


この小さな隅切角皿もそのひとつ。
違う柄でいくつか並べて、ちょこんとおつまみをのせて。
今宵の晩酌が楽しみになりますね。















2015年1月28日水曜日

古い丸椅子




すりきれた座面の哀愁ただよう古椅子を見ると、ついつい連れて帰ってしまいます。

家族が集う場で、店先で、あるいは仕事場で、長いこと誰かを支えてきた椅子。

座面はボロボロでも、しっかり組まれた脚は健在なことが多く、
張り替えると見違えるような表情になるのです。





座面の下に詰められているのは、藁のような乾いた草。
身の回りにあるものだけで、家を建て、日用品を作っていた時代が偲ばれます。


再び藁を入れることはしませんが、
代わりに弾力のある椅子用スポンジを入れて、生地を張り、リボンと鋲で仕上げていきます。


この組み合わせを考えるのが、もっとも楽しい時間。
今日の椅子は、上質なツイード生地を使い、同色の編みリボン、ブロンズの椅子鋲を組み合わせました。(SOLD OUT)


さあ、あとは脚を蜜蝋ワックスで磨けば出来上がり。


新しい場所で、ふたたび誰かを支える存在になりますように。










2015年1月20日火曜日

白磁の織機部品





まあるい形、重みのあるしっとりとした触り心地。

釉薬のムラ加減も良い味わい。

織り機に使われていた白磁部品です。



漢数字が入った輪は「静輪(しずわ)」とよばれ、糸の張り具合を調節したりする道具。
重さによって異なる数字が書かれています。

糸巻き型のほうには、万両の実をそっと入れました。

何十年もの間、織り機とともに働いて来た部品たち。



さあ、何に見立てて使いましょう?

古道具好きの醍醐味ここにあり、ですね。







2015年1月14日水曜日

雪、雪、雪の正月でした



お正月の京都は、「61年ぶり」の大雪だったそうですね。
大原も もちろん 大雪でした。


白く覆われた庭で、南天の朱い実がひときわ目立ちます。




ヒヨドリジョウゴの朱い実も・・・と思って庭で探して見ると、
きれいさっぱり誰かにたべられてしまった後でした。


枝にとまっていた犯人は、、、灰色の大きな躯で「キーキー」という鳴き声。
ヒヨドリでした。
寒さをしのぐためか、ぷっくりと羽根をふくらませています。

名前の通り、本当にヒヨドリが好きな実だったのね、と納得してしまいました。




秋のプレオープン時に飾っていた実(写真上)は、今もツヤツヤと美しいままで花瓶に飾られています。

ヒヨドリジョウゴには毒があるそうなのですが、人間が食べたらお腹が痛くなるんでしょうか。

「なんてきれいで美味しそうなんだろう」

そう思いながら、日々眺めています。












2015年1月13日火曜日

古道具やさん、開店準備中です。





はじめまして。
このたび古道具屋をオープンいたします。

場所は、京都市左京区の静かな里山「大原」。寂光院への参道沿い、落合ノ滝の横にあります。


店の名前は「ツキヒホシ」。

サンコウチョウの「聞きなし」を、そのまま店名に使わせていただきました。
ツキヒホシ〜、ホイホイホイ♪」と鳴くように聞こえることから、月・日・星、3つの光を集める鳥という意味で「三光鳥」と名付けられた鳥。
深い瑠璃色の躯で、オスは長い尾を持つ優美な姿です。

こんなに粋な名前をつけた昔の日本人は、どんな感性で日々を暮らしていたのでしょう。
今となっては想像を巡らすことしかできませんが、きっとその人はサンコウチョウの鳴き声を毎夏心待ちにし、山里に咲く花々や雨風の匂い、季節の移ろいひとつひとつに心をときめかせていたのだろうと思うのです。

その瑞々しい感性に敬意と憧れを込めて、「ツキヒホシ」という屋号にいたしました。
古い物との出会いをつなぐ場として、愛される場所になることを願っております。


恥ずかしながら勉強不足の店主ですが、皆様からのお教えをいただきながら、ご一緒に古い物との出会いを楽しんで参りたいと思っております。


オープンは 2015年3月13日 を予定しています。
それまでの間、仕入れた物の紹介や大原暮らしのこと等、ブログ&Facebookでお知らせして参ります。

どうぞよろしくお願い致します。

                           店主啓白